神沙求職記【きららMAX2022年2月号感想】
頑張れ神沙姉妹、負けるな神沙姉妹。
今月のきららMAX掲載『ご注文はうさぎですか?』では、
— まんがタイムきらら編集部 (@mangatimekirara) 2021年12月17日
放課後のチマメ茶会、高校の夏服姿で語り合うのは…?? #gochiusa pic.twitter.com/lZkWualfiA
ついに神沙姉妹が面接を受ける回。
・双子令嬢のお祈り
そして神沙姉妹が面接に落ちたわけですが。
本人たちはまだまだ気合十分、既にリベンジに向けて動き出しているということで、11巻の軸のひとつとして、メグたちの助けを借りてブラバ店員の座を勝ち取る、という流れが今後生まれそうです。
して、『喫茶店で働きたいけど働けない』という、ごちうさで初めて遭遇した状況を経て神沙姉妹はどう変わっていくのか?
そしてごちうさ11巻は何を描こうとしているのか?ということを考えた記事になります。
・双子令嬢、猫を捨てる
神沙姉妹はどう変わっていくのか?という観点で今後を考える前に、現時点の神沙姉妹が既に初登場時から大きな変化を経た存在であることを頭に入れる必要があります。
10巻までの神沙姉妹がカフェに触れてどのように変化したのかを。
初登場(旅行編)~10巻の変化としては、『ありのままを受け入れてもらえる』場所を得たことが大きいと思います。
上のコマで言っていることそのままですね。
本性をさらけ出す→受け入れられる→嬉しくてさらに本性をさらけ出す、の積み重ねにより高1組との関係を築いたのがポイントではないでしょうか。
本性をさらけ出せる、本編のキーワードに言い換えると猫を被るのを止められる関係を築けたこと、これが10巻までで神沙姉妹がカフェに触れて得られた良き変化だったのではないでしょうか。
良き変化ではあったのですが、今回面接に落ちた理由としてこの『猫を捨てた』ことが関わっているのではないかと考えています。
これについては後の項で改めて書きます。
・どうして働きたいの?
10巻までの神沙姉妹を整理したときにもう一つ気になったこととして、なぜ働きたがっているのか?というものがあります。
主な理由はロイヤルキャッツで触発されたことだとは思いますが、あの時の衝動のまま今まで動いているところがあるのかななどと考えたりしています。
これ自体は別に問題ないとは思うのですが、10巻で気になるやり取りがありました。
面接に落ちたのを見た上でこのやり取りを振り返ると、あのときのナツメの回答は案外不採用理由の本質に近いのかもしれません。
具体的な理由なく働こうとすることが悪いというわけではないのですが、実際に落ちていることも含めて現状を整理すると…といった感じ。
なんとなく、『働きたい』『もてなしたい』という手段を目的としてしまっていて空回りしているような雰囲気を感じます。
先に挙げた10巻11話の話や今回の話の下記やりとりから、神沙姉妹はこの面接についてやけに自信過剰なところがあるように見えます。
この自信の源に『こんなにも働きたくてやる気に満ち溢れているんだから』働ける、採用されるだろう……な気持ちがだけがありそうで、早い話根拠のない自信なんじゃないか?と思っています。
これは一般論ではあるのですが、面接って「うおおおぉぉありのままの自分を見て採れぇぇ」で挑んで成功することがないものだと思います。
実際に10巻3話でマヤたちはガチガチに猫被って面接に挑んだという話があるので、ごちうさの世界観でもこの認識は変わらないのではないでしょうか。
これを踏まえて再度見る10巻11話の面接練習は、ありのままをさらけ出している、さらけ出してしまっている状態と言えるのではないでしょうか。
前の項で述べた『猫を捨てた』状態、とも言えるのではないでしょうか?
木組みの街に感化されて好影響を受け、木組みの街を生きる人間としてスタイルが固まったかに見えた10巻の神沙姉妹でしたが、どうやらこのままだとまだカフェでもてなす人足り得ないらしいです。
面接練習しよう、で一旦神沙姉妹はフェードアウトしているので、次回以降に不採用理由の一端がちゃんと本編で見えてくるのではないでしょうか。
・実は特別なこのセカイで
神沙姉妹はどうして『働きたい』『もてなしたい』と思っているのか?みたいなことを書きましたが、逆に他の人はどうなのでしょうか?
例えば、マヤメグはどうだったか?フユは?他の人は?
まだ答えは出せていませんが、『もてなせる』ことが思っていたより特別らしいことがわかった今、改めて木組みの街のカフェを取り巻く不思議なセカイの在り方を考え直してみるいい機会かもしれません。
今巻では当たり前だった日常を、街の外から来た住人達は新鮮に感じています。
次回からは夏を迎え、自分たちと向き合っていく事になるでしょう。
(「ご注文はうさぎですか?」単行本10巻あとがきより)
神沙姉妹を通してココアたちのコミュニティの特異性が鮮明になっていく、というのは旅行編開始以降で何度も描かれた構図でしたが、いよいよ神沙姉妹(カフェ)と共に完成する時が来るのかもしれません。
・余談
せっかくなので今までの神沙姉妹が『カフェでもてなす』にあたって欠けていそうなものの持論。
6巻の支援要請や、『お姉ちゃん』や『まほうつかい』から伝播していったサプライズという概念から見える無償の愛のようなもの。
自分的に納得できるように言い換えると「あなたが驚き喜ぶところを見たい自分のため」に尽くすといったようなもの。
神沙姉妹とそれ以外の人を比べてみたときに前者に欠けていそう?と思ったものです。
『それ以外の人』は、主に7巻(旅行編以前)までのメンバーを指して言ってはいますが、フユに関しても10巻ラストで笑顔を返せた時点で上記の愛は満たせているのでは?と思うので、自分的にはこれで2月号への回答としてFAってことにしようかなと。
また、主にエルの方の話にはなりますが、10巻9話は「あなたが驚き喜ぶ場所を失いたくない自分のため」に再び『猫を被った』話なんじゃないかと思います。
わかりやすいこの話があるのでエルについては現時点でもこれが伸びしろなのかなと思えるのですが、じゃあナツメのほうは?と考えるとまだよく見えてないものがあります。見落としてるのか、単にまだ来てないかはわからないけど……
まだ知らないものを知り得ないといけない上に、一度捨てたものをまた拾わないといけない。なかなか大変な試練が訪れたのかなとは思いますが、これを超えた彼女たちはきっとまた魅力的になるだろうなというワクワクが強いです。神沙姉妹が好きなので…
※追記(2022/2/20)
続きっぽい記事が出来たのでよろしければ合わせて読んでくれるといいなって……
1つ目
2つ目