2022年に見た昔の映画

有名映画を今さら見た!な記事。

 

 

友人と(可能なら)ウィークリーで映画を出し合って見る会みたいなのを2022年にゆるく始めたので、ゆるい総括みたいな記事。

特に気に入ったやつの感想を改めてまとめようって感じです。

 

 

ミスト

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【あらすじ】

激しい嵐が過ぎ去った町に怪しい霧が立ちこみ、霧の中に潜む不可解な生物が現れた時、スーパーに閉じ込められた住民たちは身を守る行動に走る。

今年初めて見た映画ではないが、改めて見てやっぱりとても好きだったので、書く。

衝撃の……というか無常感に溢れたラストは言うまでもないが、私としては主要人物がかなり自己判断で動けていたように見えたところ、言い換えると物語に引っ張られて強引な行動を取るような流れがほとんど発生しなかったように思えたのが印象に残った。

たらればを考える余地が少ないというか、「ああしておけばな~~」→「でもまあアイツには無理だよな……」と納得してしまうキャラ付けとシチュエーション作りが上手だったので、あんな結末を迎えたことも苦しいと思いつつスッと飲み込めてしまう作品だったと思う。

 

もちろんラストも大好き。

主人公が泣き叫んでいるのをモブ兵士心配そうに覗き込んだりしてるところや、スタッフロールの劇伴が途中から無機質なヘリの駆動音や環境音だけに変化するところが、無慈悲に日常に引き戻しているようで特に好き。

 

そこに至る過程も好きなところ多くて、極限状況下で過激派宗教や教祖ができるのが丁寧に描かれて怖いなとか、よく考えたらそれ以前に主人公が声のデカさでぬるっと主導者になっている事など、派手に狂う人の影に地味に狂う人もたくさんいるのが怖くていいなと思った。

 

今のところ一番好きな映画なのでみんな見てほしいし不定期にミストの話したい。

もしかしたら自分ホラー映画好きかもなジャンルの知見深めたいなと思うきっかけにもなった。

でもミスト最推しですって言ったらなんか捻くれ者呼ばわりされそうであまり大声で主張したくないですよねみたいな照れもある(何?)

 

仄暗い水の底から

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【あらすじ】

ずっとずっと いっしょだよね、ママ。「リング」という名のホラーウィルスを世界中に蔓延させた原作鈴木光司×監督中田秀夫のユニットが、これまでの概念を超越したグランド・ホラー「至高の恐怖」をあなたの脳髄へ送りつける… 松原淑美は自分の幼い日々を思い出す。それは幼稚園のころそれぞれの親が迎えにくるなか、自分だけ取り残される姿。淑美の母は自分勝手だった。淑美は家庭を大切にし、子を思う母になろうと決心している。しかし現実には夫とうまく行かず離婚調停中。だが頑なに子供を思う気持ちだけは持っている。親権を主張し、自立するため新居探しを始め、淑美と娘の郁子は「なにか」を感じるマンションに行き当たる。室内の湿気、水道水の不気味さ、雨漏り、子供の足音。二人で住みはじめたある日、郁子が屋上で赤い子供用のバックを見つけた。 [俳優・監督セレクション]

今のところ一番好きな和製ホラー。なので、今後これを起点に和製ホラーの見識を深めたいなと思う。

といいつつリングを見ていない。記憶に残っている範囲だと映画は懺穢くらいしか見てないかもしれない。

 

散々な目に逢い続けて死別(片方は生きてる)という限りなくBADに近いビターエンドなのに妙に爽やかな読後感だったのが印象的な作品だった。

ひたすら上手くいかない私生活と怪奇現象のダブルパンチでジリジリと疲弊していく様子は見てる側にも緊張感を与える。

最終盤までビックリ系のイベントがなく、日常を蝕まれる不安感で視聴者の心も飲み込んでいくのはいい体験だったと思う。

 

終盤、母が幽霊に対して『私がママ』と言ったとこで幽霊が手を首から下ろしたところで「ああ子供なんだなあ」と感じたが、ここで主要人物みんなかわいそうになったから最後が妙に爽やかに感じたのかもしれない。

 

中盤に子供用の鞄が落ちてたんですけど~したくだりで『幼稚園からさほど遠くもなく一般的な核家族ならちょい狭い程度で良条件そうなアパートなのに子供の入居者いないとかほんまに言ってる???』と引っかかってたのがちゃんと伏線になってたのが地味に好き。ちゃんと冒頭で別の親子が嫌な顔して入居拒否していたのでつながりを察せられる程度の描写があって。

 

っていうか今あらすじ見返してびっくりしたんだけど母が自分勝手みたいな扱いなの???マジで????ジェネレーションギャップ!?!?!

でもこれを踏まえてフラットに思い返してみても普通に父も大概だった気もするけどな????まあ時代観か!!!

 

セブン

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2人の刑事が追うのは、怜悧な頭脳を持つしたたかな連続殺人鬼。男は七つの大罪のいずれかに該当する者を狙い、おぞましい殺人を繰り返していた。そして最後には観る者の心を食い破る、驚愕のクライマックスが待つ。 

 

オチの話になるが、結局人間が起こす範疇を超えてなかったような話だったので、先2本のテンションで見ていたのもあり視聴直後は「こんなもんなのか」という感想を抱いた。

七つの大罪†をなぞった殺人とか衝撃のラストとか散々煽ったわりには、ほどほど以上に文明の進んだ人間社会で発生する腐敗あるあるに過剰にキレてるだけの、敢えて言うなら常人より行動力があるのは確かだろうね程度の存在だったとか思っていた。

 

だが、中盤でベテラン刑事のサマセットさんが『七つの大罪なんて、ありふれた人間の感情への説教めいたものに過ぎないんよ(雑意訳)』と言っていたり、よ~~く振り返ってみるとあのしょーもない結末を丁寧かつさりげなく示唆していたことに気が付けるので、すごく良いスルメ映画だったなと感想を練っているうちに思った。

 

最終盤まで得体の知れない天才殺人鬼のように描写されていた真犯人が終盤で一気にベールが剥がれ、『深そうな猟奇殺人もありふれた感情に動かされたありふれた出来事なんだ……』『そしてそういった感情は誰しも抱えている……』と陳腐な説教めいたオチに貶めちゃうとこまで想定して作ったのかなーとか考えてたら好きになった。

あらすじも真犯人も「フフフ……衝撃のラストを刮目せよ」なテンションなのもこれを見越しての事なきがしてくる。

 

ただ、もし未視聴の人がいたらここまで書いたこと忘れて連続殺人犯さんのことを神格視しながら見てほしい…と思う。

神格視してないと外注した『色欲のデスディルド(俗称)』で股をズタズタにする殺人事件とかで爆笑しかねないから…

動機しょうもないなって思って見るとやることなすこと無駄に凝ってておもろいなこの人と思っちゃうな。

 

連続殺人犯さんの事を置いておくと、ベテラン刑事のサマセットさんが大事なことだいたい言っているとことか、『人間って、そうするほうが楽だから無関心であったり悪事を働いたりする』って後ろ向きな性善説を抱えてるとこがとても好き。

 

ジーサンズ はじめての強盗

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モーガン・フリーマンマイケル・ケインアラン・アーキンが扮するのは、長年の親友ウィリー、ジョー、アルバート。世間に迷惑をかけず真面目に生きてきた3人が隠居を撤回し、生まれて初めて道に外れた行いをしようと一大決心。理由は勤め上げた会社に裏切られ、年金を打ち切られてしまったから。何かとかさむ生活費のため、愛する者と静かに余生を送るため、彼らは老骨に鞭打って、人生最大の賭けに出る。それはなんと自分たちの財産を巻き上げた張本人の銀行に、強盗として押し入ることだった! 

 

おじさんが覆面装備して銀行強盗してる青春ストーリーだからブルーアーカイブの対策委員会編なのかもしれない。

 

ジジイが犯罪企てる話なのにひたすら爽やかな読後感なのが上手いと感じた。

銀行強盗やらせた上で明るい話にしようというだけあって、対策委員会の爺さんたちがいい人であることを丁寧に描写しているのが良かった。

あと、描写されている範囲の人間関係が良好なのも良い。老人にスポットが当たる創作って体感関係が冷えてがちで、それを見てるとキュってなるので。

ただ、関係が良好な描写があるだけに強盗に誘うあたりで『失うものはない』と言っているので「オイオイオイ家族、家族おるやん」となるのですが、とあるメンバーが決行日に娘の旦那さんに入念な引継ぎ作業をしているところで見くびってました…っ!と土下座することになった。

 

善人が銀行強盗をする話なので善人であるが故のポカをやらかすくだりがあるが、これも善人すぎるが故に解決してしまうのが温かくて好き。やってること銀行強盗なのに。

 

日常描写の中で主要人物の得意分野とか人間性を仄めかしておいたりとか、日常を伏線にする演出作りの上手さがまちカドまぞくに通じるものを感じるな、と思った。

一周しかしてなくて細かいとこまで覚えてないので銀行強盗周りの話が多くなるが、この映画の真髄はそこにいたるまでの掛け合いにあると思ってるので、ぜひその目で見て体感してほしい。そして推し爺さんを見つけてほしい。

 

私はアルちゃんお爺ちゃんがツン控えめツンデレに落ち着いてて好き。

 

デッド寿司

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天才的な寿司職人の娘として生まれたケイコ。寿司職人を目指して修行の日々を送る彼女は、家を飛び出し、とある温泉旅館で働くことになった。そんなある日、宴会のため旅館に宿泊していた小松製薬の社長に恨みを抱く男が出現し、宴会の寿司を究極の殺戮生物デッド寿司へと変えてゆく。

 

タイトルとあらすじから察せられるバカだけど、スプラッタ系パニックギャグ映画として手堅く纏まってるように感じる部分が多々あった気がするの小癪なやつめ~~~と感じた。

ハードルめっちゃ下げてたのはあるかもだけど、間延びしてるとこあんまりなかったのこの手の映画としてはめちゃくちゃ偉い。

でもこの映画は製薬会社に謝ったほうがいいと思う。

 

「製薬会社って言ってるけどこいつら別に何も頭いいことなんてないぜ!」と言わんばかりに登場して早々に上半身裸でモヒカン的言動を繰り返して襲い掛かるんですよ。最高の映画か?

 

最近発売されたポケモン最新作に喋って動く寿司モンスターが出てきたのでタイムリーではないでしょうか?ぜひ見てみてください。

 

ショーシャンクの空に

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とある刑務所の受刑者が勝ち取り、分け与えた解放と救い-。誰の心にも静かに、爽やかな感動が訪れる…。

本当に爽やかな感動が訪れたので強い映画でしたよ。

 

それだけに書類上でしか存在しなかった人間が銀行に現れたあたりからもう笑いが止まらなかった。
脱獄パートは積み重ねたものを爆速で消化してグッドエンドに駆け込むからカタルシスがすごい。
冤罪の証明はできなかったけどもう別人だし問題なし!!!、本当に強い。

 

自由(≒釈放)は本当にいい事なのか?とかこんな理不尽な場所に希望はあるのか?など、という懸念をじわじわ刻んだ上で「俺は全部解決するので問題ないけどな!!!!」と吹き飛ばす爽快感。フラストレーションの溜め方に対して結末への絶対的な信頼さえ感じる。

 

レッドが仮釈放できたのが「刑務所が変わったから」なのか「レッドが変わったからなのか」判断つかない絶妙なラインなのが好きだな~と思う。

どちらにせよアンディのおかげ、ではあるけれど。

腐ったトップ層が入れ替わって正当な判断の末に仮釈放になったとも見えるし、アンディが去ったことで希望を欲するようになり、でも出れないから自棄になって建前が取っ払われた奇跡…とも見えるし、とにかくこのバランスが好き。

 

 

とりあえず終わり。

モチベ崩さない程度に色々見ていきたいですね。