【ごちうさ感想】状況整理、もしかして今のごちうさってこういう話なのか!?

五番隊隊長曰く、憧れは理解から最も遠い感情らしいです。

故に、もし憧れがきっかけで理解できたのなら、誰よりも見て知り学べたことの証明となりうるのではないでしょうか?

 

そもそも例の発言って煽りで言ったやつじゃないですか?と言われると苦しくなるのでやめましょう。

BLEACH、読んでいるところですがまだ破面編の途中です。虚圏でウルキオラと遭遇したとこまで読みました。ブチギレ月牙天衝かっこよ……。

 

10巻範囲より後の3話分のごちうさを読んで考えたことを書いた記事です。これ以降BLEACHの話題は出てきません。

 

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ここ半年くらいは、場外でブラバ制服を着た神沙姉妹が本編で就活?に悪戦苦闘?していることが記憶によく残っています。

ブラバで働きますアピールを溜めに溜めた上で壁にブチ当ててさらに溜めるやり方は珍しい気がします。ここまでやる気満々なのを見せた上で実行に移さない感じが。

これが人の手で切り出し再編された物語である以上、この溜めには意味があるのだろうなと考えるとブラバ組(未定)の顛末に思いを馳せずにいられません。

 

・巡るぐるぐる
8巻以降のごちうさは、コミュニティ内外の対比によってチノたちの生活の特異性を示す描写が増えたように思います。

旅行編は都会とロイヤルキャッツが、9巻以降はブラバ組(未定)が『外』にあたる対比要素として描かれています。

 

”今巻では皆が当たり前だった日常を、街の外から来た住人達は新鮮に感じています。”

※「ご注文はうさぎですか?」10巻あとがきより

 

あとがきに書かれていたことそのままですね。
今後ブラバ組をブログで話題に出すたびに引用することになりそうな文章。

当たり前だった日常を新鮮に感じさせるための対比要素として描かれているのなら、ブラバ組をよく知れば木組みの街の解像度が上がり、また逆も然りなのではないでしょうか。


とりあえず、今回の記事を書くきっかけとなった神沙姉妹が働けない現状から、外と内の『働く』事情について考えていこうかと思います。


・働くということ ~木組みの街~

内側、木組みの街の喫茶店で働く理由、きっかけについて。

 

チノと千夜は住んでいる家が喫茶店で上の二世代が実際にそこで働いていたことにより、物心がついた頃から働くことが身近にあった事は大きいと思います。"今も"働く理由については家族だったり親友だったり店以外の要素も大きいでしょうが、きっかけに関しては家の存在が大きいはずです。

リゼについては具体的な理由は明言されていませんが、父の繋がりで働き始めたらしいことがDMSで言及されています。

シャロは生活費のために働き始めています。

中学生のマヤとメグはたまにラビットハウスで働いていましたが、初めて働いたときも2年目のクリスマスシーズンも、チノの手伝いとして働いていました。

 

木組みの街メンバーは、物心つく頃から働くことが日常の一部だった人と、日常生活の延長・手段として働いている人が主であるように見えます。

 

・働くということ ~ブラバ組~

外側、高校入学時に木組みの街にやってきた人たちについて。

 

神沙姉妹はマヤメグとの出会いとロイヤルキャッツでの楽しい楽しい出来事をきっかけに働くこと・もてなすことに憧れ始め、それを原動力にブライト・バニーで働こうとしています。

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単行本9巻 p29-2コマ目

 

フユが働き始めたのは同じ高校に進学したココアと同様に下宿先かつ高校の方針によるものです。

が、そもそも木組みの街にやってきた理由が雑誌の特集で木組みの街の喫茶店を知って、それに憧れるようになった事にあります。

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単行本10巻 p8-6コマ目

 

木組みの街の外の人たちは、日常の外への憧れが働く理由の軸になっているように見えます。

 

・日常の始まり

憧れに導かれた少女たちが木組みの街を訪れた9巻。

その後の、木組みの街の住人として憧れのそばで過ごす10巻について。

 

1~3話では憧れの喫茶店の「接客」を直に体験しました。

フユは、雑誌で見た喫茶店…甘兎庵やフルール・ド・ラパン……おまけにラビットハウスの笑顔の接客を体験。

10巻を通してスポットが当てられる「フユの笑顔」のスタートラインがここで引かれます。

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単行本10巻 p11-8コマ目

 

神沙姉妹も上記3店舗を訪れます。

甘兎庵・フルールではロイヤルキャッツで見たマヤメグが本当にどこででももてなす光景を見て、ラビットハウスではもてなされる人も含めてロイヤルキャッツで見たものと同じ空気で満ちる光景を見ました。

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単行本10巻 p28-8コマ目

 

そんなきらきら光る憧れのそばで過ごしていたら意外な弱いところが見えた、というのが10巻中盤の一部の話に含まれていると思います。

4話でなにか弱ったチノや8話で実は打たれ弱かった千夜がそれに当たるのではないでしょうか。

視点が違うので結論なども違いますが、9話でシャロがエルに無銭飲食を暴露する話も近い意図があるのかもしれません。

 

憧れているものの、憧れだけではない弱い一面まで見えるほど身近になり、それを受け入れられるほど『理解し始めた』、というのが木組みの街で過ごし始めたブラバ組に起こった変化なのかなと考えます。

特に10巻13話、10巻の結論として「Seven Rabbits Sins」通称ナナラビがフユの深層心理で描かれたこととか、やっぱり10巻ってそういう話だったということなのかなと勝手に納得していたりします。

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単行本10巻 p113-4コマ目

7つの大罪って、まさに人間の弱みそのものじゃないですか。個人的にはナナラビって10巻で出す結論から逆算して生まれた企画だったりするのかなと思ったりします。

 

話を戻して、憧れの憧れだけではない部分まで知った上で寄り添い、並び立とうという結論をフユが出せたのが10巻なのだと思います。

単にチノといると笑える、から1歩進んでチノへ『誰かのための笑顔』を作って向けられるようになった。これが10巻の進歩なのでしょう。

 

では、神沙姉妹は?

というのは、いま原作で進行中の話なのかなと思っています。フユについても別にゴールしたわけではないですし。

 

・ネコよ理解せよ

1歩進んだ10巻の後になにが描かれるのでしょうか?

 

2022年3月号のきららMAXでは、チノとフユが弁当の作り合いをしました。

 

 

この話の軸は『誰かのための笑顔』から派生して弁当を通じて喜んでもらおうとする気持ちの繋がりを体験することにありますが、

個人的に好きなポイントは、チノの前衛的な弁当を見たフユがびっくりする、というオチが10巻から描かれている「憧れだけではない一面を知る」ことの延長線上にあるのがなんかいいなと思いました。

 

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きららMAX 2022年3月号 p146-8コマ目

「不安になりすぎてた」がギャグチックに放たれていたのが特に好き。

この不安、自分が作る下手な弁当で喜んでもらえるのか?というものではありますが、前提としてチノは当然綺麗で上手な弁当を持ってくるだろう、と身構えていたのもあると思います。事前に見ていたのが千夜やタカヒロの弁当なので。

 

そんな不安にいろんな驚きが加わって飛び出た「チノは…すごい!」、本当に色んな感情が混ざっているようで表現としてもとても好き。

 

10巻でチノに並び立てたフユも、まだまだチノのことをたくさん知れるようで今後が楽しみです。

 

・着脱キャッツ

きららMAX2022年2月号では、10巻序盤から引っ張ってきた神沙姉妹のブラババイトの話が進展しました。

 

 

結果は面接落ち、憧れには届きませんでした。

神沙姉妹が面接に落ちたことに関するあれこれは、前回記事をご覧ください。

ayu-ayu.hatenablog.com

要約すると、

・もてなすことの本質をよくわかっていない

・猫を被っていない

こととの向き合いに焦点が当たるのでは?という記事でした。

 

以前は神沙姉妹について書きましたが、この回における神沙姉妹の面接落ちエピソードはメイン進行の舞台裏で発生した出来事でいわば裏面のようなものです。

なのでメイン進行、表面にあたるエピソードはチマメ隊のお茶会、そしてマヤの変化の悩みです。

 

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きららMAX 2022年2月号 p143-1コマ目

マヤのリゼへの憧れ初めて明言されましたが、元々かっこいいのっていいなと思っていたことの延長線上で、この2年間で身の回りの変化を色々見た結果、見る目が少し変わったっぽくて健気でいいなと思います。

 

表面・裏面と描きましたが、この話のマヤと神沙姉妹の姿勢はとても対照的に見えます。

変化を望みそれに悩んでいること、コミュニケーションのために猫を被ることができること、そのどちらを取っても今の神沙姉妹とは逆の話になるのが肝なのかなと感じています。

 

・総括

”次回からは夏を迎え、自分達と向き合っていく事になるでしょう。”

※「ご注文はうさぎですか?」10巻あとがきより

自分達と向き合う話、という軸を掲げた上で出された3話。

大切な今とその延長線上にある日常の外側にある、憧れ・夢といった『高み・向こう側』へ目指す道と歩み方へスポットを当てていくことで、今ある日常の殻を破ってでも望んだ日常を掴もうとする強さや、望んだものとのギャップなどを描こうとしているのかな……とか考えていました。

これらを読者に見せたりキャラに自覚させたりすることで、キャラの自我の輪郭を強めようとしているのかな…みたいな…

 

まあ、日常軸の木組みの街原住民に対する憧憬軸として外来種ブラバ組がいるんじゃないか?ということを言いたい記事でした。

 

とりあえず、フユが木組みの街を知り尽くすとどんな場所になるのかとか、神沙姉妹が何を得て喫茶店員になるのかとか、楽しみに読んでいこうと思います。

8~10巻の神沙姉妹の変化めちゃくちゃかわいくて好きなんですけど、さらに成長するのか!?!?って思うと本当に凄いことだと思いますよ。

 

 

 

・ココア

強い憧れを抱えて街の外から来た少女。

ブラバ組の他にもいたなあ、と。

 

きららMAX2022年1月号、11巻1話に相当する話。

今思うと完全に憧れの原点の話でしたね。

 

ココアが街に来た理由の全貌がまだ明かされていないことも含めて、1話目にこれが出されたセクションがどのような区切りを迎えるのか……

ココアさんのこと……全然わからん。

 

※追記

これを書いた翌日に公開された最新話の感想記事。

実質的な続きの記事です。よろしくね。

ayu-ayu.hatenablog.com