狩手結良の感想【きららMAX2020年6月号感想】

──────人類はまだ、

 

─────────狩手結良を知らなかった

 

みなさんは狩手結良というキャラクターをご存知でしょうか?

 

そうです。

 

2014年10月に吹き矢部の部長として初登場(Eを探す日常)し、

3年後、2017年12月に突然再登場(Eを探し続ける日常)してリゼと幼馴染の関係である事実で読者と桐間紗路を轢き殺したとんでもねぇ女です。

 

その後も、

・突然シャロの前に現れてなぜか所持していたリゼの制服のボタンを渡す

・リゼのメイドになって「いってらっしゃいませリゼお嬢様」とか言い出す

・なんか電子書籍7巻でイチャついてる

 

などなど、立て続けに火力も湿度も高いイベントを起こして界隈を焼き尽くしたともっぱらの評判でした。

しかし、その後の旅行編では特に登場せず2年近く音沙汰がなかったです。

 

そんなある日、

 出ました。

出ました。

 

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というわけで、まんがタイムきららMAX2020年6月号のご注文はうさぎですか?の感想記事です。

 今回は、やはりクライマックスの壁ドン前後のやり取りに驚きましたね。

 

・『リゼはこの2年で変わったね』

驚きつつも、すごく納得できた部分。

ごちうさで『変化』といえば、高校生組だとシャロが特にお嬢様高校との付き合い方やリゼとの関係が深まっていったりと、大きな変化を描かれていたんじゃないかと思っていました。

一方リゼは、こちらもココアたちに感化されて姉パワーに目覚めたりと変化はあったと思うのですが、なんとなく『素が出てきた』ような面が強いのかなとも思っていて。

 

つまり、この2年間のリゼはずっとリゼを見てきた幼馴染のユラから見て、実は『変化』ではなくずっと前からあったものだったりするのだろうか?

あるいは、この『変化』は長年見てきたユラ視点でも突然現れた見知らぬ側面だったのか?

きっとどちらかのように写っていて、これに伴い何か大きな感情を抱いているのではないかと思っていたわけです。

 

幼馴染というのは強い関係です。やはり関係を築く上で時間というものはとても大きい。だから、どちらかはわからないが絶対何かあるにちがいないと。

しかし私はその長い時間で何があったかを全く知らなかったため、さして多くもない状況証拠だけで空想してみる以上のことはできなかった……

 

なので、こうしてハッキリ『ココアたちと出会ってからのリゼ』それ以前のリゼから変わっていたと言われたことは衝撃的でした。

ずっと昔から知ってる人にとっての、知らない人になっていたことが。

素が出てきたとか子供の頃のようになったとかではなく、見たことのないものに『変化』していたことが、作中視点で名言されたことが。

 

・「今のリゼならもっと仲良くなれるかな」

へえ~~~マジか~~~~となったところ。

シャロに幼馴染マウント取ってたのもあって今の関係でわりと満足しているとこあるのでは、と思っていましたが、全くそんなことなかった。

前述の通りリゼの知らない部分が増えていたとしても、『まあそれと同じくらい私しか知らないところもあるし』とか思ったりするタイプの人だったりするのかなと思っていました。

 

『もっと仲良くなれるかな』 ≒ 距離を感じていて、かつ距離を詰めたいと思っているということで、そこは個人的に意外でした。

 

腐れ縁であることに不満を感じるタイプだったんだなあと……

独占欲は絶対強いんだろうなあとは思ってましたけど……独占欲の強い顔面してるので。

 

ユラが距離感を感じていたのが、ここ2年間のリゼに対してなのか、もうずっとどこか遠いなと感じていたのかは気になるところですが、これは「ずっと思ってたよ」と言ったこと、また幼少期から影に隠れて見守るような接し方してたあたり後者と捉えていいのかなと思います。

 

リゼ、絶対に幼少期からそこまで性格変わってないと思うというか、上下関係あったとしても下の人にもグイグイ行くような人だったと思うんですけど……

それでどこか距離を感じていたって実のところユラ側から勝手に距離感じててそれを気にしているんじゃないの……あなたそういうところよ……!?ってならないですか?私はなります。

 

・『私の中で”腐れ縁”はとびきりの新愛の証だ』

リゼもリゼで、このあたりのやり取りでずっとニュートラルな表情だったのどういうことなんでしょうね。え、どうなの……???

普通、長年の付き合いの幼馴染がいきなり爆発して壁ドンしてきてるのに、「何って……(ry」みたいなノリで返せるんですかね????

 

リゼの一連の返答、自分の纏う日常の中にちゃんと核心を見つけているんですよ、というようなタイプと見せかけて、絶対、ことの重大さを甘めに見積もってるやつじゃないかと思います。

そうですきっと。

 

でも”腐れ縁”であること自体を尊重している点はごちうさらしくていいなって思います。

 

自分のリゼの解像度がそれほど高くない気がするのでアレなのですけど、リゼって元々そういった気安い関係を好んでいた傾向があったんじゃないかなと思っています。

立場柄、相手側が多少遠慮して距離を空けるとこにリゼが自然体で詰めていって、それでできた距離感に慣れていて、これが居心地良かったんじゃないかと(勝手に)思っていました。

距離をガンガン詰めてくるココアたちは”独特”という意味でも特別だったでしょうけど、かといってこれまでの気安い関係がいらなくなるかというとそんなことはなく、今まで通り大事なものなのだと思います。

それ故の、『とびきりの新愛の証』

 

しかし、ユラは”独特”な関係があることを知ってしまった。

憧れていた関係が現実に、リゼの周囲に存在することを知ってしまった。

そんなユラが頑張り始めちゃったので、今後大きく動いてしまうんだろうなあと。やっぱり天々座理世は罪な女だ。いい話風に見えてすれ違いは特に解消していない。最高ですね。

 

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以上を踏まえて、全体を振り返ってみます。

 

『一日リゼ体験』

○○○・○か?って、きららWeb予告文では思ってましたけど、ちゃんと全部読んでみた上で○○○・○か?ってなりました。はい。

憧れていた関係性へのアプローチが……なんというか……その……歪んで……

リゼとの”独特”な関係に憧れて、しかし叶わなくて痺れを切らしてじゃあリゼ⇔○○のリゼに置き換えてみようってまあ随分とあらあらあら……

 

『親同士の立場』

リゼユラパッパ、どうやらチノリゼパッパのような対等な付き合いではなくて、何かしらの上下関係にあるらしいです。

言われてみれば、令嬢の幼馴染の親が上下関係になっていて、年令を重ねていくと幼馴染の関係性もそれに引っ張られ変わっていく……的なのって鉄板といえば鉄板な気がしますね。

これは下のほうが劣等感を感じているけど上の方は特に気にしてない系に近いやつですかね。

そういった背景があるのかもしれないとすると、ようやく自分のやりたいようにやる第一歩を踏み出せるようになった話なのですごくエモいと思います。それはそれとして怖いです。

 

・『い…いいの……?』

ここ、最初読んだときは「やっぱりココアがユラちゃん呼びで口説いたか……さすが俺たちが信じたパン焼きチャラ男だぜ!」と思いました。

ユラが6巻で再登場して以来、ココアと出会ったらどんな化学反応が起きてしまうんだろう?と思ってたので、なんか思っていたよりアッサリ事が進むなあとか考えてたんですよね。進んでいませんでしたね。

 

これ、すぐ後の展開考えると「(でも欲しいのはあくまでリゼとの関係なんだよね……)」とか思ってそうじゃないですか。

 

え・・・こわ・・・・・・

 

しかし、さらにその後で「逆にリゼからやきもち焼いてもらえるように頑張っちゃお~」と言っているので、恐らくココアたち、リゼの周囲の人間への接し方にも何か変化はありそう。

でもあくまでリゼの感情ありきの行動原理なんですね、文章そのまま受け取ると。

 

え・・・こわ・・・・・・

 

狩手結良の結論:こわいね。ファイトだ!

 

ほか、千夜とシャロについて

ユラと一緒になってシャロをからかう千夜と、ユラにちょっかい出されるシャロをすごい楽しそうにニッコニコで見てる千夜が非常に解釈の一致ですごく……ありがたいです……

今後が楽しみ。幼馴染のタレ目で胸と感情が重い方がトップメタになる時がすぐそこまで迫っています。みなさん備えましょう。

シャロはなんでいちいちマウント取ろうとして返り討ちに遭ってるの……

 

 

終わり。
/https://twitter.com/mangatimekirara/status/1250786560825421824?s=20

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