狩手結良の感想 Vol.3
13巻は狩手結良!
というわけで久しぶりに状況整理。
- ①. 初登場~旅行編開始まで
- ②. Foooo am I ?
- ③. 幕間1
- ④. Foooo is your Sister ?
- ⑤. 幕間3
- ⑤. 幕間4
- ⑥. インタビュー・ウィズ・ユラ
- ⑦. そして現在は
①. 初登場~旅行編開始まで
主に7巻の話。まだ『吹き矢部の部長』だった頃のユラさん。
基本的に会話の起点が吹き矢なので本当にキャラ作りが徹底されている。
今読むとEを探し続ける日常が最もシャロとまともに会話しているように見える。マジで?
7巻時点だと、吹き矢部部長以外では『リゼの幼馴染』と『シャロの謎のライバル?』のロールを抱えて現れた感がありますが、後者については色々あって今はそのような立ち回りをしていないので、シャロに絡むユラを見ると懐かしくなりますね。迷走の片鱗。
今にして思うと、シャロにリゼのボタン投げつけたのは私が思っていたよりお近付きの意図が大きかったような気がしてきます。雰囲気が怪しい幼馴染はマウントを取るものという固定観念はあまり良くないかもしれませんね。
②. Foooo am I ?
俗に言う闇の壁ドン回。
吹き矢部部長の最後の雄姿が描かれた回でもあります。
このテーマについては過去記事の前半部分がわりと明るいのでそちらもご覧ください。
吹き矢を通して直接通じ合えていたかもしれなかったあの頃と、手探りで自分を含めたリゼの周囲を攻略しようとしている今。
実際に原作に存在しているのが後者なわけですが、そういう役での立ち回りが明確に始まる、いわば宣戦布告のような回だったように思えます。
『吹き矢部の部長』ではなくなったユラが何者になるのか。リゼとの関係性はどう着地するのか。そんな物語がここから始まるのです。
③. 幕間1
怪しげな雰囲気を放つライバルとして頑張っていた時期。
「リゼにやきもち妬かせるぞい」と意気込んでおきながらリゼ(たまにシャロ)としか絡まないのはいかがなものか、と思いながら読んでいた記憶があります。
そんなリゼにばかりちょっかい出してもしょうがないでしょう!外堀り埋めんきゃ~と野次を飛ばしていた一方で、リゼとユラという今まで見たどの幼馴染とも違う独特の距離感を非常に好ましく感じてもいました。
特に、『仲は悪くないし、ましてや無関心とかでもなさそう』な仲の良さが見えたのが好きですね。
とはいえ、やはり『私が嫉妬してるのはココアちゃん達にだよ?』と宣戦布告した以上は、リゼの変化の渦中の人物と認識しているココアに突撃してもらわなきゃ始まらないですよ、と考えていたわけです。
④. Foooo is your Sister ?
狩手結良史の節目とも言える回。
ついにココアと正面対決することになりテンションの上がるオタクだったが……
後々(一方的に)懐かれる神沙姉妹と比べると、ココアがユラ側に染まることもできるのでこういう結末になった、という風に見えました。
正直なところ私がココアの真意を全く理解できていないので多くは語れませんが、ココアの敵(光×闇)になれずユラと同じ立ち位置(闇×闇)に収まることができてしまう現実を叩きつけられた、と認識しちゃったように思っています。
リゼがどうして変わっちゃったを体感したのもありそう。
⑤. 幕間3
ココアに絡まれ、敗北……その後。
別に勝ち負けの話ではないのだけれどユラ本人は負けたと思ってそうな雰囲気があります。メスガキとの性行為に勝った負けただの言い出してる時点でそいつは負けている論みたい。
だから、なのかは本人のみぞ知るところですが、ココアと関わらなくなった他、この少し後に発生する背景込みで全員出現してそうな回(10巻13話と11巻1話)で画面に写らなくなるあたりに、ユラの立ち位置の変化を感じます。
特に11巻1話はわざわざ過去回想のほうはユラらしき人物が写っているのに対し現代で写っていないのは、単に尺が足りなかっただけでない意図を感じます。
リゼを取り巻く輪から外れた立ち位置であることの表現である他、
今後の描写も踏まえるとこれまでの悪役的な・怪しげな雰囲気を放つライバルのようなロールをやめて、モブのようなロールに写ったことの表現でもあるのかなと感じました。
⑤. 幕間4
11巻半ばからブラバで働き始めます。
この時のユラ→シャロのやり取りが、9巻の者と比べるととても社交的というか、『普通に』良い対応をしている気がします。
一方、リゼにやきもちを焼かせるなら外堀を埋めるとこから始めるべきと主張し続けていた者としては、できたてホヤホヤで比較的薄めの関係性(ブラバ組)につけこむのベストムーヴを繰り出してくれて嬉しかったです。
少なくともリゼにはそういうのが効きます。
実際、ブラバ組とユラが仲良くする様子(???)にリゼがちょっと焦るような描写もあり、当初のリゼのやきもちという目標への最適解を取れたことがわかります。
尤も、ユラがブラバ組周辺の交友関係を知っていたとは考えにくい(少なくとも神沙姉妹の存在は採用発覚時点で把握していない)ため、この接触は偶然でしょうが。
計略とか特にない思い付きで生まれた縁だからこそ良いとも言う。
ブラバ就職は、個人的には先述のモブ活の一環なのかなと考えています。ココアやリゼに当たる光を避けて動いた結果行きついた場所としてのブライトバニー。
神沙姉妹側がユラを認知したのがブロカントのあしながユラさんで第一印象良好だったこともあるのか、なんかよく懐かれているので面白い関係性が築けそうな予感がします。
一方、リゼから神沙姉妹の存在を知った経緯が経緯なのか、どこか贖罪の意志を感じる行動をしているような気がするのが不穏と言えば不穏ですが。
ブロカントと水着回は計画的にブラバ組に接触している節がありますが、かたや淡々と買い物して帰り、かたや挨拶もそこそこに速やかに採用枠の件を謝罪するといったように、何か気にしていらっしゃるのかなと感じてしまう動きをしているように見えます。
まあ、この意識はきっと時間が解決するでしょう。
⑥. インタビュー・ウィズ・ユラ
『Foooo is your Sister ?』以降の立ち位置を明言したかのような回。
というか、それ本人の口からそう言っていいんだ、と思いましたよね。
ただのオタクたる私自身もぶっちゃけ似たようなことを思っていたこともあり、本当にそう思います。
この回はユラ自身の立ち位置の再確認の他に、他の人から見たユラがちゃんと描かれている点も好きです。
全体的に、思ったよりは悪いようにされていなさそうな様子が見えるのが良い。
マヤメグ→ユラ:あの時見かけた変な人(それ以上でもそれ以下でもない)
チノフユ→ユラ:第一印象はちょっとアレだけどまあ悪くない気がしてきた
ココア神沙→ユラ:なんか懐いてる
改めて後述しますが、ユラの思惑と関係なくうっすらと存在が受け入れられていたり、本人の気質だったり奇跡的な第一印象事故などにより普通に仲良くなりかけたりと、ある種のままならなさも感じられます。
特に神沙姉妹は、第一印象が恩人だったうえに趣味まで合う(と半ば一方的に思われている)ので、ほんとユラ周辺環境の特異点になってしまったなと。
ユラ→神沙姉妹、一応過去に2回会った件も含めて闇オーラ控えめで接していた節がありそうですよね。
プール回の問題発言も、「おっとぉ……口を滑らしちまったなァ~~~」な悪役仕草ではなく純度100%の「やっべ(素)」だったんだろうなと思えてきます。
ちょっと遠巻きに生きるユラと、未だそれを様々な距離感で取り巻いている住人の話。
⑦. そして現在は
ブラバも辞めて本格的に輪の外のポジションを確立していくユラ。
辞めた理由はまだ色々想像できる段階ですが、仮に言葉通りの理由で飽きて辞めたとしてもユラさんって良くも悪くもそういう風に動ける側の人だしなと思いますし、少し捻って考えても仲良し高1トリオに絡まれ続ける大学1年という構図が若干気まずいのはわかるなと感じるので、バイトだしなということも手伝い辞める足りえるなと思っています。(特に神沙姉妹からは既に変な懐かれ方をしているのもあり)
これはご注文はうさぎですか?らしくない地味で湿っぽい理由と思われるかもしれません。
ごちうさらしくないという点はその通りですが、じゃあそのごちうさらしさはごちうさの常識なのか?についてはNoなんですよね。
どちらかというとココア一派の考え方のほうがイレギュラーであるということは過去何回か描写されています。
その上で、ユラがココア側ではないとしても特に不思議なことはないでしょう。
※一方でハロウィン衣装がカスすぎて逃げ出した説も有力視されているらしい。
何が言いたいかというと、この選択が言葉通りのものなのだとしたら、狩手結良のオタクとしてはその生き方を見守りたいし不幸とか救済対象といったような目で見たくないという…
なにはともあれ、ユラ本人が動いて決めたことではあるので…
一方、神沙姉妹のオタクとしては、せっかく憧れの先輩と働けるときが来たのに謎に逃げられて謎にはぐらかされ続けるのはなかなか悔しいものがあります。
「すきになる程逃げられる」じゃないんですよね。自己紹介?
今月のきららMAX掲載『ご注文はうさぎですか?』では、
— まんがタイムきらら編集部 (@mangatimekirara) 2024年4月18日
喫茶店「ブライトバニー」のバイトに採用されたナツメ&エル!
そこにココアがお客さんとしてやって来ますが…。 #gochiusa pic.twitter.com/P5F6PvrZAZ
まんがタイムきららMAX2024年6月号では、ユラがブラバを辞めた理由を匂わせつつ、ユラが去った後の界隈の話を展開しています。
アウトローに乗り気なチノなんかが顕著だと思いますが、この話では昔のネタを反復しつつ、ユラが放つ空気が木組みの街に受け入れられるものであることが描かれています。
そう、ユラが受け入れられているのです。
神沙姉妹のオタクとしての意見?に戻すと、惚れさせちゃった責任を取ろうねという話になります。
『現時点での』ユラの意志や目的に関わらず、これまでユラがちょっかい出した結果として今の木組みの街界隈が影響を与えられたわけなので、その代償として木組みの街に追い回されることになるのも致し方ないでしょう。因習村の話ではありません。
特に、ブラバ組に関しては深めに爪痕が残ってしまっているので、なんというか観念してほしいものです。
この手の苦手意識が本当に大したイベントもなく第一印象一点突破のなんとなくなの、リアルではあるけど創作でやるのはめったに見ないから今もびっくりします。
結局『何故か警戒しちゃう』以上の情報がないまま実は好きだった気がしているの、すごい。
『第一印象が悪い』でやるにしても何かマイナス印象を与えるイベントを経由する(古のラブコメだったら、転入挨拶の前に道端でうっかりパンチラ覗くとかそういう…)ものですが、理由なく苦手なまま進行して、特に本人が関与することなくなんか好きだったかもしれないな…で反転するの、ユラさんからしたら中々たまったもんじゃなくて面白いですよね。
狩手結良のオタクとしては舞台を降りる選択を尊重したいのですが、神沙姉妹のオタクとしてはその選択が成就するかまでは気にしないというスタンス。
お縄につくのだ狩手結良。
おわり。